2017年9月7日に㈱矢野経済研究所が国内クラウドファンディングの市場動向の調査を開示しました。
調査レポートは、「寄付型」、「購入型」、「投資型(ファンド、株式)」、「貸付型」の累計ごとに市場規模を算出。特に、「購入型」、「投資型」、「貸付型」については、成長市場を支える有力企業を通して事業戦略や取り組みの実態についてヒアリングし、市場の動向、将来展望もまとめています。
また、実際にクラウドファンディングを利用した事業者からもヒアリングを行ない、利用の有益性や今後利用を検討している事業者等への参考情報も盛り込んでいます。
調査結果によると、2017年6月末時点におけるクラウドファンディングを扱う企業数等は170社程度で、このうち独自にウェブサイトを開設している企業は70社弱、専業者のASP利用やプラットフォー ムを利用した自治体、および一般企業等のウェブサイトは100社強と推定されています。
【出典:国内クラウドファンディングの市場規模】
2016年度の国内のクラウドファンディング市場規模は、新規プロジェクト支援額ベースで、前年度比96.6%増の745億5,100万円であした。類型別では、購入型が約62億円、寄付型が約5億円、投資型(ファンド型)が約3億円、貸付型が約672億円、株式型が約0.4億円と推計しました。
最も規模が大きい類型は貸付型で、全体の90.3%を占め、 市場拡大に大きく貢献している。次いで、購入型は参入企業数が最も多いが支援額ベースで全体の8.4%であるが、年間で延べ約50万人が支援、当業界の中で最も支援者が多かったとしています。寄付型は年度によって増減があるが数億円規模で推移しており、年を追うごとに当該規模は増加傾向にある。投資型(ファンド型)では、大型案件が達成されると大幅に増加するが、ここ数年は減少傾向にあります。
2017年度の国内クラウドファンディングの市場規模は前年度比で46.2%増の1,090億400万円を見込む。購入型は約80億円(同27.4%増)、寄付型は約6億円(同 7.2%増)、投資型(ファンド型)は約4億円(同15.6%増)、貸付型は約987億円(同46.8%増)、株式型は約12億円(同2,400.0%増)の見込みであるとしています。
【出典:国内クラウドファンディングの市場規模】
購入型においては、認知度の高まり、共感性の高いプロジェクト起案の増加等から、成立件数も増加しており。加えて、1 億円超の大型プロジェクトも成立、プロジェクトの大型化も進んでいます。米国大手クラウドファンディング企業の参入により市場拡大への相乗効果も期待されています。
矢野経済研究所はこれらの方にもクラウドに関する調査・統計資料の開示も行っており、クラウドファンディングの動向を探るには有益なサービスです。特にクラウドファンディングは小規模の資金調達が多いた上場会社のように決算短信や有価証券報告書などで開示されている訳ではありません。そのような場合はこのようなシンクタンクの資料は投資家さんにとって大変参考になると思います。
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